色のお話

神話

残暑が厳しい都会とは裏腹に今回の台風一過で傷跡を残した自然界では、秋の気配を感じる季節になりました。そして、3.11から半年が経過し改めて自然の力の恐ろしさと人間の愚かさをを感じていますが・・・ただ、祈る事しか出来ません。

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以前、日本海で見つけたザクロの小さな果実に魅せられた私は、自宅のベランダでザクロを育てています。夏に綺麗なオレンジ色の花が咲きミニトマトに似た緑色の小さな果実がなりました。そして今、秋の深まりと共に毒々しいワインカラーの怪しい輝きを放そうとしています。このザクロは神話に出てくる婚姻と財富を象徴する女神ジュノー
(ジューンブライドを象徴する女神 )の好物らしく・・・華奢な枝に力強く咲いたオレンジ色の花は本当に優雅で美しいです。神話に出てくる、エルメス(旅人、泥棒、商人の守護神・神々の使者)を崇拝している私はあのオレンジ色を見ると・・・何故か、スイッチが入ってしまうのです!

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今回、入手できた写真の生地は正に・・・あの色ですよ!
オレンジ色の濃淡に染め分けられた糸で織られた先染めと呼ばれる生地で・・・
納得できる色に一本の糸を染める事は、豊富な経験と色彩感覚が要求されます。
この生地を作った職人さんは本当に良い仕事をしています。

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この靴の職人さんもかなり良い仕事をしています。既に虜になっている方も多いですが・・・流石です。

きっと・・・服好きの人達を元気にそして幸せにさせる為に!
神話に出てくる神様がこっそりプレゼントしてくれたのかも?ですね。

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生成り

服作りの仕事を始めた頃から高級品らしく厚化粧されたプリント生地や後染めの生地には魅力を感じませんでしたが・・・何故か帆布やシーチングと呼ばれる生地には、素朴な可愛らしさと懐かしさを感じていました。

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生成り(なまなり)と言う名前の通り、後加工(プリントや染色)される前の生まれたままの生地は、使われた糸の良し悪しがもろに出る為・・・そのまま使える生地はかなり少ないのが現状です。天然繊維をそのまま染色せずに織られた生地は山のように作られた生地スワッチの中では地味で目立つ事も有りませんが・・・中には絶世の美女?が隠れている事もあります。

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私がお洒落に興味を持った少年時代に購入した夏のスーツが偶然にも生成りのシルク素材でした。勿論、その頃は素材の事には無知でしたが正しく一目惚れでした!真夏に汗を掻きながら・・・背伸びして大人の男を演じて着ていたスーツの着心地は最高で、汚れてもそれ程気にならない自然な色と風合いもお気に入りでした。

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決して、主役では有りませんが・・・その後も麻のジャケットやパンツ、綿のニットやシャツ等・・・天然素材ならではのバランスの良い生成りの服たちと出会い生成りの魅力にハマッテ行きました。もともと、染色も人工的な加工もされていない生地は手荒な扱いをしても変化が少ないのもお気に入りの理由です。生成りのアイテムはやはり洗いざらしがカッコイイですね。

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しかし今思えば・・柔道着や体育館にあったマット・・ヨットの帆や油絵のキャンバス・・。汗をかきながら遊んでいたあの頃に、出会っていたのですね。

★毎年、汗をかくこの季節になると・・・生成りの服を着て出かけたくなるのは私だけでしょうか??

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旅立ち

私にとって初めて見た中学校の学生服の思い出は・・・
四角い箱に入ったシワ一つ無い白いシャツと軍服を思わせる立ち襟と金釦の付いた黒い学ランは堅苦しく怖ささえ感じられ・・・何処か知らない世界に旅立つ為の特別な服に見えました。
今思えば、中学生への憧れと恐怖心が入り混じった思春期独特の感覚だったのでしょうね・・・。制服を与えられ、一つの型に嵌められる事へのささやかな反抗!それは・・・
お気に入りだった、ピンク色のボタンダウンシャツをこっそり、学ランの中に着て登校していた事です。綿100%のオックスフォードの生地は丈夫で着心地も良く毎日がご機嫌でした。学校で指定された、ポリエステルの白シャツを買うのが勿体無くて・・・
「学校にも普段にも着るから!」という都合の良い口実で、親からお金を騙し取り・・・お気に入りのボタンダウンシャツのイエロー、白も購入しました。この頃から、私の着る物への執着心が芽生えたのだと思います。この異常な執着心は益々エスカレートして靴・傘・ベルト・ハンカチ等の小物で止まる事無く・・・最終的には学ランや、パンツまで・・・自分で改造したり、お小遣いをはたいてオーダーまでしていました。その頃に購入した私のお気に入りのシャツや小物達は、就職後に・・・同じファッション業界に進んだ悪友にプレゼントしました。その頃の私は、自分が中学生の頃に着ていたシャツや靴、コートをなぜ、社会人の悪友が欲しがるのか?不思議でしたが・・・。今思えば、真面目に作られた本物が持つ、物としての生命力が残っていたのですね。古くても・・・魅力的に見える物には、作り手の愛情は勿論・・・所有者の愛情までが宿っていたのかも知れません。
毎年、桜の花が咲く季節になると思い出す懐かしいピンク色のボタンダウンシャツ!あの、シャツとの出会いが私に、物を大切にする気持ちや本物を見る目を養ってくれたのだと・・・感謝しています。

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4月は新しい旅立ちの時です。皆様が素敵な人や物と出会えますように!!

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